初めての楽器手に結成2年「カラレス」おやじバンドの挑戦

カラレス

「カラレス」おやじバンドの挑戦
初めての楽器手に結成2年

結成2年の「カラレス」は、同級生らでつくるおやじバンドだ。ユニークなのは、メンバーそれぞれがまったく未経験の楽器に挑戦していること。演奏は未熟だが毎月ステージに立ち続け、24日にとうとう初のワンマンライブを迎える。その純粋な姿勢に感化されてバンドを始めた同世代もいるという。
「好きなことは何歳からでも始められるんだと勇気を与えられる存在になりたい」と熱い思いを胸に、人生の新たなステージに立つ。

家庭も仕事もメリハリ

迫る50代を前に集まったメンバー。健康のためにも趣味でバンドでもやろうかという話になった。でも「折角なら何かに挑戦しよう」と、全員がまったく初めての楽器に演奏することにした。中にはプロもいるが、まったく触れたことのない種類素人同然になっの楽器を手に、てゼロからスタートを切った。
呼び掛けた美崎信二さん(48)は「日々成長していくのが楽しい。趣味があると仕事も家のこともちゃんとやらないといけない。生活にメリハリがつく」と充実感を語る。
購入したアコースティックギターとボーカルを担当。オリジナル曲「ガムシャラDAYS」作詞作曲した。ライブでは青春時代に聞いていた曲から選んで演奏する。「懐かしい気持ちになってほしいし、演奏も自分たちがどんな気持ちになるのかも今から楽しみ」と心待ちにする。

「無色」の男たち

バンド名は、英語「カラーレス(無色)」から。「自由」で「何色にも染まらず、何者にも影響されない」という意味を込めた。数々のサポートで名うてのギタリスト知念孝行さん(48)は打楽器のドラムを選んだ。
「全然違うけど、ギターに生かせると思うところもある。気心知れたメンバーと遊びの延長で楽しくやれている。温かく見守っていただければ」とPRした。ベースの太田浩司さん(48)は「楽器屋に来いと言われて、その場でベースとアンプを買わされてすぐにスタジオに行った」という。
「無事に終わることを願っている」と笑った。エレキギターの貝盛長史さん(48)も、学生時代にフォークギターを少し触った程度だ。「難しい」と頭を悩ませながら「大好きな曲をやるのでそれが楽しみ。全力でやる」と笑顔を見せる。

心豊かな人生を

唯一プロのきいやま商店マストこと崎枝将人さん(47)はサックス。
少し前からこの新しい管楽器への挑戦が知られていたが、実はこのサックス、美崎さんが持って来たのだという。「『どうだ、お前も吹けないだろ』とバンドに引き込まれてて。もともと俺を入れたかったんだろうけど、まんまと罠にはまったよね(笑)」。カラレスを始めてから、アマチュアバンドと知り合う機会が増えたという。「才能あるなあと感じたり。自分も素人だからお互いいろんな話ができる。カラレスはまだ全員下手くそ。ただ楽しいってことでやっているけど、また上達すると思うよ」サックスを始める時、「やるからには5年でプロになる」と宣言した。
今では島のミュージシャンのレコーディングに参加するまでに成長している。

「お金儲けできることがすごいみたいな世の中になっている好きなこけど、まったく違う。好きなことに時間を使って心が豊かな方が生きることが楽しいと思える。そう若い人たちにこそ伝えたいし、その第一歩を踏み出す勇気を与えたい」と語った。
ワンマンライブは、美崎町のシティジャックで午後7時30分~。入場料は1,000円(ドリンク別)。グッズ販売や美崎牛のフードもある。

2025年1月16日掲載
八重山毎日新聞