「人生勝ち負けじゃない」おやじバンドカラレス、初ワンマン

「人生勝ち負けじゃない」おやじバンドカラレス、初ワンマン

観客も共感、熱い声援

全員が初めての楽器を手に結成2年目のおやじバンド「カラレス」初のワンマンライブが21日夜、美崎町のシティジャックで行われた。青春時代の歌謡曲のほかオリジナルの「ガムシャラDAYS」も披露。「人生勝ち負けじゃなく楽しんで生きろ」と熱く前向きなメッセージが響き渡った。決して演奏は上手くなくても、懸命に楽もうとする姿勢に共感の輪が広がり観客も声援を送った。

カラレスは、同級生のギターボーカル・スター美崎(本名美崎信二)さん(48)、ギター貝盛長史さん(48)、ベース太田浩司さん(49)、ドラム知念孝行さん(49)に、一つ歳下のサックス崎枝マストさん(47)の5人組。2022年に結成し、月に1度、誰でもステージに立てるライブハウスのオープンマイクイベントに参加し腕を磨いてきたが、今回初のワンマンに挑戦した。

バンド名とは裏腹にカラフルな虹色の衣装をまとって登場すると、CHAGEandASKAやチェッカーズ、郷ひろみなど懐かしの曲を次々と演奏。各メンバーが好きな曲を歌うソロのコーナーでは、貝盛さんがザ・ワルツ「58(ゴーパチ)」、太田さんは浜田省吾「AMERICA」、知念さんはザ・ブルーハーツ「青空」をドラムボーカルで披露した。

満場の客席に、美崎さんは「きいやま商店)のライブと思って来てないよね?」と笑いを誘った。「僕ら上手くないので、『楽しかったよ』が誉め言葉。帰りに『楽しかったよ、下手クソ』と言ってもらえたらうれしい」と感謝を伝え、「石垣島まつりに出たい」と次なる目標を語った。

終了後、翌日が誕生日という知念さんにケーキのサプライズがあり、メンバーからドラムスティックがプレゼントされた。もともと名うてのギタリストで知られる知念さんは「僕にまた音楽の楽しみを教えてくれた仲間」と感謝した。

会場には同級生をはじめ、オープンマイクの配信を見て県外から駆け付けたという観客もおり、バンドと一体となって人生の楽しさを分かち合った。好きな趣味は何歳からでも始められる。人生を謳歌するための要素がこの島にはそろっている。そう感じさせるひと時だった。

2025年1月30日掲載
八重山毎日新聞